豊臣秀吉が全国百姓の刀・鉄砲などを没収。人間の歴史で「国民大衆」からの大規模な武器没収に成功したのはこれが最初で最後。いったん権利として獲得されたものを人から奪うのは、とても難しいのである。国内利権や既得権もそう。核兵器にしてもそう。
権利を与えるのは簡単だが、それを奪うのはむつかしい。特に自衛の権利は命が拘わるだけに簡単には奪えない。アメリカであんなに銃器保有が問題になっているのに政府は何も出来ないことを見ても分かる。太閤秀吉は彼の強烈な個性と実行力で国民を短期間のうちに非武装化した。これは世界史でも非常にめずらしい例である。秀吉はサルと馬鹿にされたがエライのである。
核兵器も似たようなものだ。いったん核兵器を保有してしまった国家からそれを奪って非核化した前例は存在しない。アメリカももう持ってしまった核に対してはいままで何もしてこなかった(と言うより、何も出来なかった)。戦争というものは自分より弱い国に対してしか仕掛けないものだから当然といえば当然。核を持っている国を攻めるにはたいへん危険なことなのだ。おまけに国際社会には秀吉のような絶対的政治権力は存在しない。
その点、国内の既得権益については、同じ国の中のことだけにまだ見込みがある。平成の秀吉による「刀狩り」に期待したいものだ。小泉はいい線までやったのだけれど、途中で投げ出してしまった。
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